卒業制作 オリエンテーション

これからの働き方を、少し先取りする時間

4年生のこの時期は、

就職活動のことを考えている人も多いと思います

はじめに

まず、ひとつ確認したいことがあります

この授業は卒業制作ですが、
単に作品をひとつ作って終えるための授業ではありません。

就職活動の中で、自分が何をしてきたかを考える場面があります。
社会に出る直前には、どう仕事を進めるのかを学ぶ場面も増えます。
この授業は、その両方に少しずつつながっていく時間です。

はじめに

今すぐ大きな実績が必要、という話ではありません

この場で伝えたいのは、
「30週間後にすごい実績を持て」ということではありません。

むしろ、企画して、相談して、作って、直していく中で、
自分の言葉で話せることが少しずつ増えていく。
その流れ自体に価値があります。

卒業制作は、完成品だけを見る授業ではなく、
その途中で何を考え、どう進めたかも含めて意味を持つ授業です。

この授業で経験することは、

就活のあとにも続いていきます

卒業制作とは何か

課題制作より、仕事に近い学びです

この授業では、3〜4名のチームでプロダクトを作ります。
企画し、設計し、実装し、公開し、改善します。

一人で思いついたものを一人で作るのではなく、
誰かと相談し、役割を分け、判断の理由を持ちながら進めます。
それは、仕事の進め方にかなり近いです。

だから卒業制作は、
学校の課題でありながら、仕事の入口にもつながっています。

就活とのつながり

こういう経験は、話す材料になっていきます

面接では、技術名を並べるだけでは伝わりにくいことがあります。
何を考えて作ったのか。
なぜその選択をしたのか。
途中で何に困り、どう立て直したのか。

卒業制作では、そうした場面が自然に生まれます。
最初から立派に語れる必要はありません。
進めるうちに、話せる具体が増えていきます。

作ったことだけではなく、

どう進めたかも、あなたの材料になります

なぜチームでやるのか

一緒に作ることには、一人では得にくい学びがあります

実際の仕事では、
自分だけで完結することより、周囲と連携しながら進めることの方が多いです。

役割分担をすること。
分からないことを早めに相談すること。
意見が分かれたときに、好みではなく理由で話すこと。
こうしたことは、チームで作るからこそ経験できます。

この授業では、成果物だけでなく、
そうした進め方も含めて学んでいきます。

なぜ公開するのか

公開すると、見え方が少し変わります

自分のパソコンの中だけで動くものと、
他の人がアクセスできる場所に出るものでは、意味が少し変わります。

動けばよい、ではなく、
使いやすいか、壊れにくいか、直しやすいかを考えるようになります。
その視点は、課題制作よりも、実際のプロダクトに近い視点です。

公開すること自体が目的ではありません。
公開してみることで、ものづくりの見え方が変わることに価値があります。

AI活用

AIは便利ですが、判断までは代わってくれません

GitHub Copilot などの AI ツールは、この授業で積極的に使ってください。
実装のたたき台を作ること、分からないコードを読むこと、調査の入口を見つけることには、とても役立ちます。

ただし、最後にそのコードを使うと決めるのは自分です。
なぜその実装にしたのかを説明できること。
動くことだけでなく、理解して使っていること。
そこは変わりません。

AI を使うことも、これからの仕事の一部です。
だからこそ、頼り方まで含めて学んでいきます。

この授業は、

毎週少しずつ前に進める授業です

進め方

1週間を1つの区切りとして進めます

この授業では、1週間ごとにやることを整理しながら進めます。
一度に全部を決めるのではなく、
今週やることを決めて、作って、振り返って、次につなげます。

毎週の積み重ねは小さく見えるかもしれません。
ただ、その積み重ねによって、
プロダクトも、チームの進め方も、少しずつ形になります。

大きな一歩よりも、止まらず進むことを重視します。

ロードマップ

前期は形にしていく時間、後期は育てていく時間です

フェーズ 期間 主な内容 目安
立ち上げ 第1〜4週 テーマ検討、課題設定、技術選定、設計 何を作るかを定める
開発 第5〜8週 MVP 実装、役割分担、レビュー まず動く形を作る
公開準備 第9〜13週 品質向上、テスト、デプロイ 外に出せる形に近づける
中間発表 第14〜15週 発表、振り返り 前期の区切りをつける
運用改善 第16〜24週 改善、継続開発 使いながら整える
仕上げ 第25〜30週 最終調整、発表準備 卒業制作展へつなげる

前期の時点でも、十分に得られるものがあります。
後期は、それをさらに深める時間です。

評価

評価するのは、完成品だけではありません

この授業で見るのは、
最終的に何ができたかだけではありません。

どう進めたか。
どんな判断をしたか。
チームにどう関わったか。
問題が起きたときに、どう向き合ったか。
そうした過程も、きちんと見ます。

最初から得意な人だけが有利な授業にはしたくありません。
進める中での成長や貢献を大切にします。

評価基準

成果物と過程の両方を見ます

評価項目 配分 見るポイント
成果物 30% 動くプロダクトになっているか
開発プロセス 20% コミット、PR、レビュー、進め方が丁寧か
運用・改善 20% 公開後の改善や課題対応ができているか
チームワーク 20% 情報共有、相談、協働ができているか
AI活用と学習 10% AI を理解し、検証しながら使えているか

自信がない部分があっても大丈夫です。
できることを持ち寄りながら、足りない部分を学んでいくことに意味があります。

うまく進むチームは、

最初から強いチームではありません

途中で話せるチームです

技術選定

正解を当てるより、理由を持って選ぶことが大切です

使う技術には、いくつかの選択肢があります。
BaaS を使う方法もありますし、自作の API を作る方法もあります。

大切なのは、
その技術が有名かどうかではありません。
自分たちの人数、期間、得意分野に合っているか。
なぜそれを選んだのかを説明できるか。
そこを重視します。

その考え方は、実務でもそのまま使えます。

事前準備

まずは、開発を始められる状態を整えます

準備物 内容
個人所有のノートPC 毎週同じ環境で継続して開発できることが重要です
GitHub アカウント ソースコード管理と共同開発に使います
GitHub Copilot 学生は Student Developer Pack の対象です
VS Code 基本の開発環境として使います
Node.js フロントエンド系の開発でよく使います
連絡手段 Discord、Slack、LINE Works など、チームで決めます
必要な追加環境 Python、Go など、構成に応じて準備します

初回ですべて完璧に揃わなくても問題ありません。
ただ、早めに環境をそろえることが、後の進めやすさにつながります。

グラウンドルール

進めるうえで、大事にしてほしいことがあります

場面 行動
課題を見つけた Issue にして共有する
コードを変更した Pull Request を出してレビューを依頼する
わからないことがある 早めに質問する
遅れそうになった 隠さず共有する
意見が分かれた 好みではなく理由で話す
AI を使った 出力を理解し、検証してから採用する

一人で抱え込まないことは、とても大切です。
困ったときに言えることも、仕事の力のひとつです。

相談のしかた

困ったときは、順番を意識してください

まずはチーム内で共有してください。
次に AI を使って、仮説や調査の入口を探してください。
それでも難しいときに、講師へ相談してください。

相談するときには、
何に困っているかだけでなく、
何を試したか、どこまで分かったかも一緒に整理してください。

その整理ができるようになることも、
この授業で身につけてほしいことのひとつです。

よくある不安

いくつか、先に答えておきます

プログラミングに自信がない

最初から全部できる必要はありません。
役割を持ちながら、必要なことを学んでいけば大丈夫です。

良いテーマが思いつかない

最初から完璧な案はなくても構いません。
誰の、どんな困りごとを減らしたいかから考えれば十分です。

チームでうまくやれるか不安

うまくいかないことが起こる可能性はあります。
だからこそ、早めに話すことを大切にしてください。

AI に頼りすぎそう

使って構いません。
ただ、最後に判断するのは自分です。

この授業で得るものは、

最後に突然生まれるものではありません

毎週の判断や相談や失敗が、

少しずつ、自分の言葉になるはずです

では、始めましょう

まずはテーマの種を見つけるところから始めます