この授業は卒業制作ですが、 単に作品をひとつ作って終えるための授業ではありません。
就職活動の中で、自分が何をしてきたかを考える場面があります。 社会に出る直前には、どう仕事を進めるのかを学ぶ場面も増えます。 この授業は、その両方に少しずつつながっていく時間です。
この場で伝えたいのは、 「30週間後にすごい実績を持て」ということではありません。
むしろ、企画して、相談して、作って、直していく中で、 自分の言葉で話せることが少しずつ増えていく。 その流れ自体に価値があります。
卒業制作は、完成品だけを見る授業ではなく、 その途中で何を考え、どう進めたかも含めて意味を持つ授業です。
この授業では、3〜4名のチームでプロダクトを作ります。 企画し、設計し、実装し、公開し、改善します。
一人で思いついたものを一人で作るのではなく、 誰かと相談し、役割を分け、判断の理由を持ちながら進めます。 それは、仕事の進め方にかなり近いです。
だから卒業制作は、 学校の課題でありながら、仕事の入口にもつながっています。
面接では、技術名を並べるだけでは伝わりにくいことがあります。 何を考えて作ったのか。 なぜその選択をしたのか。 途中で何に困り、どう立て直したのか。
卒業制作では、そうした場面が自然に生まれます。 最初から立派に語れる必要はありません。 進めるうちに、話せる具体が増えていきます。
実際の仕事では、 自分だけで完結することより、周囲と連携しながら進めることの方が多いです。
役割分担をすること。 分からないことを早めに相談すること。 意見が分かれたときに、好みではなく理由で話すこと。 こうしたことは、チームで作るからこそ経験できます。
この授業では、成果物だけでなく、 そうした進め方も含めて学んでいきます。
自分のパソコンの中だけで動くものと、 他の人がアクセスできる場所に出るものでは、意味が少し変わります。
動けばよい、ではなく、 使いやすいか、壊れにくいか、直しやすいかを考えるようになります。 その視点は、課題制作よりも、実際のプロダクトに近い視点です。
公開すること自体が目的ではありません。 公開してみることで、ものづくりの見え方が変わることに価値があります。
GitHub Copilot などの AI ツールは、この授業で積極的に使ってください。 実装のたたき台を作ること、分からないコードを読むこと、調査の入口を見つけることには、とても役立ちます。
ただし、最後にそのコードを使うと決めるのは自分です。 なぜその実装にしたのかを説明できること。 動くことだけでなく、理解して使っていること。 そこは変わりません。
AI を使うことも、これからの仕事の一部です。 だからこそ、頼り方まで含めて学んでいきます。
この授業では、1週間ごとにやることを整理しながら進めます。 一度に全部を決めるのではなく、 今週やることを決めて、作って、振り返って、次につなげます。
毎週の積み重ねは小さく見えるかもしれません。 ただ、その積み重ねによって、 プロダクトも、チームの進め方も、少しずつ形になります。
大きな一歩よりも、止まらず進むことを重視します。
前期の時点でも、十分に得られるものがあります。 後期は、それをさらに深める時間です。
この授業で見るのは、 最終的に何ができたかだけではありません。
どう進めたか。 どんな判断をしたか。 チームにどう関わったか。 問題が起きたときに、どう向き合ったか。 そうした過程も、きちんと見ます。
最初から得意な人だけが有利な授業にはしたくありません。 進める中での成長や貢献を大切にします。
自信がない部分があっても大丈夫です。 できることを持ち寄りながら、足りない部分を学んでいくことに意味があります。
使う技術には、いくつかの選択肢があります。 BaaS を使う方法もありますし、自作の API を作る方法もあります。
大切なのは、 その技術が有名かどうかではありません。 自分たちの人数、期間、得意分野に合っているか。 なぜそれを選んだのかを説明できるか。 そこを重視します。
その考え方は、実務でもそのまま使えます。
初回ですべて完璧に揃わなくても問題ありません。 ただ、早めに環境をそろえることが、後の進めやすさにつながります。
一人で抱え込まないことは、とても大切です。 困ったときに言えることも、仕事の力のひとつです。
まずはチーム内で共有してください。 次に AI を使って、仮説や調査の入口を探してください。 それでも難しいときに、講師へ相談してください。
相談するときには、 何に困っているかだけでなく、 何を試したか、どこまで分かったかも一緒に整理してください。
その整理ができるようになることも、 この授業で身につけてほしいことのひとつです。
最初から全部できる必要はありません。 役割を持ちながら、必要なことを学んでいけば大丈夫です。
最初から完璧な案はなくても構いません。 誰の、どんな困りごとを減らしたいかから考えれば十分です。
うまくいかないことが起こる可能性はあります。 だからこそ、早めに話すことを大切にしてください。
使って構いません。 ただ、最後に判断するのは自分です。